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マーケティングの本当に重要なポイントを押さえてください。

リスナーの皆さん、こんにちは!「マーケティング入門講座」、ナビゲーターのさいとうです。
マーケティング専門家のかねだです。さいとうさん、最近マーケティングの勉強を色々されているそうですが、何か新しい発見はありましたか?


はい!行動心理学などを学んでいるとすごく面白いんですけど、
ええ。


同時に疑問も湧いてきちゃって。国や文化が違えば人の心の動きも変わりますよね。
はい、はい。


日本で有効なテクニックが、海外でも同じように通用するのかなって。
非常に良い視点ですね。実は、その疑問への答えこそが、今日のテーマ「ニューロマーケティング」なんですよ。


お!
これは、人種や文化といった後天的なものではなくてですね、


はい。
全人類に共通する「脳のルール」に直接アプローチする、まあ、いわば究極のマーケティング手法なんです。


ニューロマーケティング…!なんだか最先端な響きですね。具体的には、えーと、どういうものなんですか?
簡単に言えば、「脳は嘘をつけない」っていう、この原則を利用するんです。


脳は嘘をつけない。
ええ。従来のアンケートだと、人は建前を言ったり、自分でも本心に気づいてなかったりするじゃないですか。


ありますねぇ。
ですが、脳波とか視線の動きを科学的に測定すれば、その人が本当に「欲しい」と感じているか、


へぇー!
その本音を、もう直接読み取ることができちゃうんです。


まるで「心を読む」ような技術ですね!
そうなんです。


お客さんの本音を直接覗けるなんて…うわ、それは確かに強力そうです。
その通りです。で、ここからが重要なんですけど、


はい。
人の意思決定の、なんと95%は無意識で行われていて、


95%!
しかもその判断は、最初の0.2秒から0.4秒という、まさに一瞬の「直感」で下されていることが分かってるんです。


0.2秒!うわー、私たちが理屈でじっくり考えてるようで、
そうそう。


実はもうとっくに勝負は決まってるんですね。
そうなんです。私たちの脳には、大きく分けて3人のプレーヤーがいるんですよ。


3人?
ええ。一番奥にいるのが、生きるか死ぬかを瞬時に判断する「爬虫類脳」、つまり直感ですね。


爬虫類脳。
その次が、好きか嫌いかを司る「哺乳類脳」、感情です。で、一番外側で、まあ言い訳を考えたりするのが「人間脳」、理論。


はー、なるほど。
現代のマーケティングは、この一番奥にいる、最もパワフルな「爬虫類脳」の心を、いかにして掴むかが勝負なんです。


なるほど…!じゃあ私たちは、こう、最先端のビジネスパーソンであると同時に、
ええ。


トカゲの心を掴む「トカゲ使い」を目指すみたいな…そういう感覚なんですね(笑)。
(laughing)いや、面白い例えですけど、的を射てますよ。


そして、その脳を喜ばせるための、すっごくシンプルな合言葉が「カシス楽」なんです。
カシス楽? なんだか美味しそうな名前ですけど…


これは「カンタン・シンプル・スムーズ・楽しい」の頭文字を取ったものなんです。
あー、なるほど!


脳は、とにかく「考える」っていうエネルギー消費を極端に嫌うんですね。
うんうんうん。


ですから、お客さんの決断のプロセスを、いかにこの「カシス楽」な状態にしてあげられるかが鍵になります。
なるほど。でも、かねださん、脳波を測るみたいな大掛かりな装置って、まあ、私たちには使えませんよね。


ですよね。
何か今日からでも実践できることってあるんでしょうか?


もちろんです。それこそがニューロマーケティングの面白いところでして、高価な機材がなくても、その原則は応用できるんです。
お、本当ですか。


例えば、あなたの会社のウェブサイトとか提案書に、ただ一言「お任せください」って付け加える。
え、それだけ?


これだけで、成約率が3割も向上するっていうデータがあるんですよ。
3割も!?たった一言で、ですか?


ええ。「考える」っていう、あの面倒な作業を肩代わりしてくれる安心感が、
はい。


脳の「買わない」っていうブレーキを、こう、カチッと外してくれるんです。
へぇー!


他にも、例えばスーパーの棚の角を「丸く」するだけで、
うんうん。


お客さんの滞在時間が延びることも分かっています。
え、なんでですか?


角が尖っていると、脳が無意識に「危ない!」って危険を察知しちゃうからなんです。
面白い!目に見える部分だけじゃなくて、


そうなんです。
そういう無意識レベルでの、ちょっとした違和感とかストレスを取り除いてあげることが、売上に直結するんですね。


その通りです。で、もう一つ強力なのが「親しみと新しさの共存」です。
親しみと新しさ…。


あるブラジルの不動産会社が、全く新しいタワーマンションのモデルルームに、誰もが知ってるカードゲームの「UNO」をポンと置いただけ。
UNOを?


たったそれだけで、売上が爆発的に伸びたっていう、有名な事例があるんです。
「新しい」っていう、脳が感じる不安を、「UNO」っていう誰もが知る「親しみ」が和らげた…


そういうこと!
…っていうことですね! うわ、これは新商品を売る時に、すごく重要なヒントになりそうです。


ええ。で、その考えを突き詰めると、言葉遣いにも応用できるんですよ。
と、言いますと?


さいとうさん、ECサイトの購入ボタンの文言が、なんで「購入する」じゃなくて、「今すぐ手に入れる」みたいな表現になってるか、分かります?
あっ、もしかして…。えーっと、脳は「お金を払う」ことに痛みを感じるから、「購入」って言葉を避けてる?


お、いいですね。
で、「手に入れる」っていう、お客さんが得られる未来の行動を言葉にすることで、こう、ワクワク感を刺激してる…とか?


素晴らしい!まさにお見事です。
やった!


それが「マイクロコピー」と呼ばれるテクニックで、ニューロマーケティングの本質の一つなんですね。
へぇー!


ほんの少し言葉を変えるだけで、脳への響き方が全く変わってくるんです。
いやー、脳の世界は本当に奥が深いですね…。


ええ。
でも、なんか、突き詰めると、お客さんを深く理解して、ストレスなく、楽しく買い物をしてもらうための「究極の思いやり」が…


うんうん。
…ニューロマーケティングなのかなって、今、感じました。


ええ。まさに。小手先のテクニックじゃなくて、人間の本質に寄り添うこと。
はい。


それこそが、これからのマーケティングのスタンダードになっていくでしょうね。
それでは最後に、リスナーの皆さんへの質問です。


あなたのビジネスやサービスにおいて、お客さんが無意識に感じているかもしれない「ほんの小さな痛み」とか、「ちょっとした面倒くささ」って何でしょうか?
うんうん。


そして、それを「カシス楽」に変えるために、明日からできることは、何だと思いますか?
その小さな改善が、あなたのビジネスを大きく変える最初の一歩になるかもしれません。


ええ。
本日もありがとうございました。


ありがとうございました。